2012年11月30日金曜日

井岡が2階級制覇へトライ WBA世界L・フライ級


 6月に世界ミニマム級タイトルを統一した井岡一翔(井岡)が2階級制覇をかけ、12月31日ボディ・メーカーコロシアム(大阪府立体育館)で、WBA・L・フライ級5位のホセ・ロドリゲス(メキシコ)とWBA同級王座決定戦を争うことが決まった。

 当日は、井岡と同門の宮崎亮が、ポーンサワン・ポープラムック(タイ)とWBA世界ミニマム級王座決定戦を争う試合とのダブル世界戦。この日は、東京でもトリプル世界タイトルマッチがあり、大みそかに計5試合の世界戦が行われることになった。

コット×トラウト 試合前会見

 

 今週土曜日12月1日、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で挙行されるWBA世界S・ウェルター級タイトルマッチの記者会見が28日(日本時間29日)MSGシアターで行われた。挑戦者で4度世界王者に就いた(階級は3つ)ミゲール・コット(プエルトリコ)と、王者オースティン・トラウト(米)は次のようにコメントした。

コット「私はサウスポーとの対戦を苦にしていない。すでに多くのサウスポーと対戦しても全く問題なかった。だからオースティンともノープロブレムに違いない。
 私は素晴らしいトレーニング・キャンプをこなし、オースティンよりスキルがあるボクサーたちとスパーリングを重ねた。この試合で唯一、私がほしいのはベルト。キャンプの成果を発揮して勝ちます」

トラウト「私は歴史をつくる。それはミゲール・コットが5つ目のベルトを獲得することではなく、私がニューヨークでコットを破る最初の人間になることです。
 軍人だった私の母はブルックリン生まれです。たくさんのファミリーがいて、私をコットよりもニューヨーカーの気持ちにさせます。このファイトは夢が現実になること許してくれるでしょう」
 

 セミではフェザー級プロスペクト、ジェイソン・ベレス(プエルトリコ=WBA15位)がサルバドール・サンチェスⅡ(メキシコ)と対戦。会場のMSGは30年前、亡くなった叔父のサンチェスが最後にリングに上がった思い出の場所だ。Photo/GBP

2012年11月29日木曜日

山中&五十嵐が練習再開

 

 今月3日仙台のダブル世界タイトル戦でそれぞれ勝利を飾りベルトを守った帝拳ジムの世界チャンピオンコンビが早くも始動──。山中慎介(WBCバンタム級)と五十嵐俊幸(同フライ級)が28日午後、東京・神楽坂の帝拳ジムでそろってジムワークを再開し、約1時間、シャドー・ボクシングを中心とした軽めのメニューをこなした。次期防衛戦はともに来年2月末か3月初めになるという。
 

 両チャンピオンは「すっきり勝って、結婚して子供もできて、最高の1年でした」(山中)「2試合いずれも世界戦で内容はギリギリでも勝つことができた。14年ボクシングやってきて一番大きな節目の年でした」(五十嵐)と今年を振り返った。さらに、「まだまだガードが甘いし、右ももっと強化したい」(山中)「攻防のバランスをよくし、試合の流れをコントロールできるようにしたい」(五十嵐)と勝利に浮かれることもなく、気を引き締めていた。

 2人にはジムからご褒美として海外旅行がプレゼントされ、日曜日(2日)に出発する。メキシコ・カンクンのWBC総会に出席し、8日にラスベガスで行われるビッグマッチ、マニー・パッキアオ-フアン・マヌエル・マルケス第4戦を生観戦する予定。なお「報知スポーツ大賞」に選ばれた山中は、授賞式に出席するため6日に一時帰国し、翌日改めてラスベガスに向かうという。本田会長から「無理しなくてもいいぞ」と言われたが「ビッグマッチを生で見たい」とあえて強行日程を選択した。

2012年11月28日水曜日

「不可解な負け」に泣いた荒川が帰国


 メキシコシティのWBCライト級挑戦者決定戦で10回負傷判定負けした荒川仁人(八王子中屋)が28日に帰国した。

 敵地の試合は荒川にとり非情なものだった。ストップの原因となったダニエル・エストラーダの負傷について、荒川陣営はヒッティングによるものと猛攻義したが受け入れられず、不可解さを残していた。結局勝敗は採点にゆだねられ大差(98-92、98-92、99-91)がついていたが、これには現地関係者やファンの間でも疑問の声が上がったほど。
 陣営はカンクンのWBC総会で抗議をするつもりという。

Number PLUS 拳の記憶Ⅱ 発売

 

 スポーツ総合誌Numberが別冊Number PLUS「拳の記憶Ⅱ」を発売した。昨年の「拳の記憶」に続くボクシング別冊で、90年代を中心とした名勝負にフォーカスした内容。辰吉、畑山、竹原、西岡…ファンや元世界チャンピオン、関係者の選ぶ名勝負に、さまざまな角度から光を当てている。

2012年11月27日火曜日

ハットン再起失敗 センチェンコにKO負け

 

 英国きっての人気スターだったリッキー・ハットンが約3年半ぶりに再起。24日(現地時間)英国マンチェスターのマンチェスター・アリーナで、前WBA世界ウェルター級王者ヴァチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)を迎えて復活を図ったが、9回KOで敗れた。
 

 ブランクやアルコール禍などにもかかわらず、前半ハットンはアグレッシブに戦い、これもポール・マリナージ戦からの再起戦となるセンチェンコと互角に渡り合う。しかし5回を境にパンチがワイドになりがちなハットンに、ウクライナ人の的確なブローが決まりだす。9回、ボディー打ちで仕掛けたハットンだったが、逆にセンチェンコの右レバーを食らい、膝をつく。主審がフルカウントを数えたタイムは2分52秒だった。Photo/BOXING SCENE.COM

キグとマーレイが快勝 英国の2暫定決定戦


 リッキー・ハットン×ヴァチェスラフ・センチェンコをメインエベントとした24日(現地時間)英国マンチェスターで開催された興行で、WBAの2階級の暫定王座決定戦が行われた。

 英国人同士の対決となったS・バンタム級は6月の第1戦に続くダイレクトリマッチ。前回は序盤で負傷ドローに終わったが、今回は明確に決着がついた。若手ホープ、スコット・キグ(WBA2位=24歳)に対し、西岡利晃と戦ったサウスポー、レンドール・ムンロー(同4位=32歳)が初回、左フックを巧打したが、2回からキグが重厚なボディーブローでペースを掌握。6回、レバー打ちで2度ムンローを倒し、ストップした。TKOタイムは2分37秒。

 もう一つのミドル級戦はWBA&WBC3位(WBOは1位)マーティン・マーレイ(英)がWBA7位ホルへ・ナバーロ(ベネズエラ)に6回1分40秒TKO勝ち。初回、右カウンターで倒したマーレイ(30)がプレスをかけ続けるベネズエラ人をアウトボックス。かまわず前進するナバーロだったが、6回、マーレイの右でダウン。同じパンチでまた倒した英国人が追撃中にナバーロ・コーナーがタオルを投入した。

 この2クラスともランキング1位は空位。特別に暫定チャンピオンを設ける理由はなく、相変わらずWBAの政策には首を傾げてしまう。

2012年11月26日月曜日

ゲレロ、ベルトとの肉弾戦制す

 

 WBC世界ウェルター級暫定王者ロバート“ゴースト”ゲレロ(米)×挑戦者元WBC&IBF同級王者アンドレ・ベルト(米)とのタイトル戦が24日(日本時間25日)米ロサンゼルス郊外のオンタリオで行われ、ゲレロが明白な判定勝利で初防衛を果たした。
 

 ダウンシーンは初回と2回に起こった。いずれもクリンチ際からゲレロがパンチをねじ込んで倒したもの。同時にベルトは右目が腫れ出し、前半からハンディを負う。ゲレロはこれがウェルター級転向2戦目とは思えない強靭なフィジカルを発揮し、手負いのベルトを追い込む。ロープを背にする場面が続出するベルトは中盤、右アッパーを連発して反撃。しかし王者は鉄のアゴで対抗し、ノーダメージ。終盤3ラウンズ、再びゲレロが旺盛なプレスで締めくくり勝利にダメを押した。

 公式スコアは3ジャッジ一致の116-110でゲレロの勝ち。一部で「フロイド・メイウェザーの対戦者決定戦」ともいわれる試合を制したゲレロは31勝18KO1敗1分2無効試合。腕の負傷、ステロイド禍による長いブランクからの復帰戦だったベルトは28勝22KO2敗。

 セミでは中量級のセンセーション、キース・サーマン(米)が元WBO世界ウェルター級王者カルロス・キンタナ(プエルトリコ)に4回2分19秒TKO勝利。空位のNABO・J・ミドル級王者に就いたサーマンは19勝18KO無敗1無効試合。Photo/GBP
 

成松3連覇達成 最優秀は中澤 全日本選手権

 
藤田㊨とパンチを応酬するMVPの中澤
井上㊧を下して3連覇を達成した成松

 東京・日野市の市民の森ふれあいホールで行われていた第82回全日本アマチュアボクシング選手権大会は25日最終日を迎え、L・フライ級からミドル級まで7階級の決勝戦を行った。

 ライト級の成松大介(自体校)が井上浩樹(拓大)に文句なしの判定勝ちをおさめ、3連覇を達成した。バンタム級で藤田大和(拓大)の連覇を阻んで初優勝を飾った中澤奨(東農大)が大会最優秀選手に贈られる「山根明杯」を受賞した。優秀選手賞は成松、技能賞は柏崎刀翔(日大)、敢闘賞は吹田隆有(同志社大)が選ばれた。
 決勝試合結果は以下の通り。

LF 柏崎刀翔(日大)Pts.16-11 田中亮明(駒大)
F  林田翔太(駒大)Pts.7-6吹田隆有(同大)
B  中澤奨(東農大)Pts.16-9藤田大和(拓大)
L  成松大介(自体校)Pts.9-2 井上浩樹(拓大)
LW 服部聖志(中大)Pts.10-7 保田克也(中大)
W  佐藤龍士(自体校)Pts.12-10皆川直輝(日大)
M  濱崎良太(駒大)Pts.15-4 岡田良綱(日大)

2012年11月25日日曜日

荒川が負傷判定負け WBCライト級挑戦者決定戦


 メキシコシティで24日(日本時間25日)、WBCライト級挑戦者決定戦に出場した同級1位の荒川仁人(八王子中屋)は、同2位ダニエル“トレメンド”エストラーダ(メキシコ)に10回負傷判定で敗れた。


岡田隆志 メキシコで6勝目飾る

 

 24日夜(日本時間25日)メキシコ・ティファナに登場した岡田隆志(元MTジム)は、フライ級6回戦でフェリックス・ルビオ(メキシコ)に3-0判定勝ちを収めた。

 5ヵ月ぶりのリングとなった岡田が前進して仕掛けるが、ルビオは人を食ったような動きで幻惑しようと試みる。それでもラウンドが進むごとに岡田はプレスを強めて手数を出し、メキシカンは口を開けて苦しそう。5、6回、相手をロープへつめて追い込んだ岡田だったが、ルビオは散発ながらパンチをリターンして抵抗した。

 スコアはユナニマス・デシジョンとアナウンスされただけで、数字は公表されなかったが、限りなく岡田の完封勝利に近かったと思われる。岡田は6勝1KO1分。ルビオは0勝2敗。
 

 同日のメインではWBO・J・バンタム級1位ダニエル”バッドボーイ“ロサス(メキシコ)が同国のエドゥアルド”バンビーノ“ガルシアにボディーを集中砲火して3回1分39秒KO勝ちを収めた。(三浦勝夫)

マッチョ・カマチョが死去


 今週火曜日20日、拳銃で撃たれ医師から脳死の判断が下されていたリングのレジェンド、ヘクター“マッチョ”カマチョが24日午前(現地時間)、プエルトリコ・リオ・ピエドラスのメディカル・センターで死去した。享年50。

 前日23日、母親のマリアさんがカマチョの生命維持装置を取り外すことに同意。翌日、処置が取られた。一方でカマチョは昏睡状態のまま呼吸困難に陥り、24日午前1時40分ごろ息を引き取ったという報道もある。

 まだ詳細は明らかにされていないが、葬儀は首都サンフアンのスポーツ&レクレーション施設で“公葬”というかたちで執り行われるという。

中国に初の世界王者 内藤と戦った熊が殊勲


 井岡一翔の後継チャンピオンを決めるWBC世界ミニマム級王座決定戦が24日、中国・雲南省クンミンで行われ、WBC6位の熊朝忠(中国=ユウ・チョウ・チュウ)が同4位ハビエル・マルティネス(メキシコ)に3-0判定勝利。プロボクシング史上、中国初の世界王者が誕生した。

 ダウンシーンはなし。ハイペースでスタートした一戦は前半拮抗。後半、地元の応援をバックにした熊が重大なダメージを与えてリード。勇敢なマルティネスは最後まで抵抗したが、公式スコアは116-114、116-112、119-110で熊を支持。09年5月、日本で当時のWBCフライ級チャンピオン内藤大助に挑戦し、判定負けした熊は20勝11KO4敗1分。1位デンバー・クエリョ(比)との指名戦は大きな関門になる。WBCインターナショナル・シルバー王者マルティネスは13勝6KO4敗2分。

 同じリングでは、世界挑戦歴を持つヘビー級オケロ・ピーター(ウガンダ)がフレディ・ミラー(米)に4回TKO勝ち。3回にダウン応酬となったが、ピーターは次のラウンドで仕留めた。

2012年11月24日土曜日

アマ全日本選手権あす決勝 東京・日野


 アマチュア・エリートの最強を決める戦い――22日から東京・日野市の市民の森ふれあいホールで競技が続けられている第82回全日本アマチュアボクシング選手権大会は24日、各級の準決勝が行われた。
 
ライト級準決勝。成松大介(自衛隊)㊨が同門の大宮孝彦に勝利

 先月ボクシング部の復活が認められた近大から唯一出場の福森雄太(平成22年度全日本L・ウェルター級王者)が22日の同級1回戦に出場したが、高橋拓磨(東洋大)に接戦の末判定で敗れ、無念の初戦敗退となっている。

 トーナメントは連日午前11時開始。ロンドン五輪金メダリストの村田諒太ら五輪出場の4選手は参加していないが、L・フライ級からミドル級まで7階級で熱戦が繰り広げられている。会場はJR日野市から徒歩15分(入場無料)。25日(日曜)に各級の決勝戦が行われる。

岡田隆志が明日ティファナに登場

 

 元MTジム所属で、ロサンゼルスを拠点に活動するフライ級の岡田隆志が24日(日本時間25日)メキシコのティファナで6回戦に登場する。計量で岡田(5勝1KO無敗1分)は112.4ポンド(50.98キロ)を計測。相手のフェリックス・ルビオ(メキシコ)は111ポンド(50.35キロ)だった。

 興行のメインはWBO・J・バンタム級1位ダニエル・ロサス(メキシコ=14勝9KO無敗1分)と、日本で名城信男と亀田和毅と対戦したエドゥアルド・ガルシア(メキシコ=24勝12KO9敗1分)の10回戦。計量は両者とも120ポンドだった。

 また元WBC世界フェザー級王者アレハンドロ“コブリータ”ゴンサレスの息子アレハンドロ・ジュニア(メキシコ)が同国のセサール・ラミレスとバンタム級6回戦。

ゲレロ☓ベルト WBCウェルター級暫定戦

 

 中量級の実力者同士、ロバート・ゲレロ(米29歳=30勝18KO1敗1分2無効試合)×アンドレ・ベルト(米29歳=28勝22KO1敗)のウェルター級12回戦の前日計量が23日行われ、ゲレロは146.4ポンド(66.41キロ)、ベルトは146.8ポンド(66.59キロ)でパスした。明日24日(日本時間25日)ロサンゼルス郊外オンタリオ市のシチズンズ・ビジネス銀行アリーナでゴングとなる一戦は、ゲレロの持つWBC世界ウェルター級暫定王座が争われる。(正規チャンピオンはフロイド・メイウェザー)

 同じリングではKOセンセーションと噂のキース・サールマン(米=18勝17KO無敗1無効試合)が元ウェルター級王者カルロス・キンタナ(プエルトリコ)とNABO・J・ミドル級王座を争う。Photo/GBP

明日メキシコで荒川×エストラーダ戦

 

 メキシコシティで24日(日本時間25日)、世界挑戦者決定戦を争うWBCライト級1位荒川仁人(八王子中屋)と同級2位ダニエル・エストラーダ(メキシコ)が23日、計量に臨み、両者ともリミットの135ポンド(61.23キロ)で無事パスした。同地のフォロ・ポランコという会場で行われる一戦は、エストラーダが保持するWBCライト級シルバーベルトもかけられる。

 興行はエストラーダらをサポートするメキシコの大富豪カルロス・スリム氏のボクシング業界進出4周年記念として開催される。試合の格からすれば荒川×エストラーダが上だが、メインはスリナ“ロバ”ムニョス(35勝24KO1敗2分)×マリベル・ラミレス(7勝2KO3敗2分)のメキシコ人同士によるWBC女子S・フライ級戦となっている。

 また日本のリングに上がったこともあるカルロス・クアドラス(メキシコ=WBC・S・フライ級1位)がフェルナンド・ルマカド(比)とWBCシルバー王座の防衛戦。同じくメキシコのバンタム級ランカー、フリオ・セハ、フェリペ・オルクタらが出場する。Photo/YAMDA SUMIO

2012年11月23日金曜日

帝里木下がV2 日本S・フライ級戦


 

 23日神戸サンボーホールで行われた日本S・フライ級タイトル戦は、地元のチャンピオン帝里木下(千里馬神戸)が7位の大庭健司(FUKUOKA)の挑戦を3―0判定で撃退し、2度目の王座防衛に成功した。

 しかし内容は今回も大苦戦。スタートからノーモーションの右ストレートを多用して圧力をかける挑戦者に対し、王者は左ロングフック、ストレートを決めて応戦。だが明白に優勢というほどではない。特に終盤は両者手数は出すもののクリーンヒットは少なく、狭い会場を沸かせた割には盛り上がらない。大きなヤマ場らしいヤマ場もないまま試合終了ゴングを聞いた。スコアは96―95、96ー94、97ー94と、3ー0とはいえかなり接近していた。

 セミの8回戦では、木下の同僚、玉越強平(WBA世界S・フェザー級9位)がアクセル住吉(関門JAPAN)に判定勝ち。アマチュアの全日本社会人王者からプロ転向して3戦目の住吉に対し、ジャブを多用しボディーから顔面の2段連打を見舞うなど、40戦を越すベテランらしい巧さを随所にみせてポイントを積み重ねた。住吉も時折右をきめて食い下がり、玉越は2回に偶然のバッティングで左目上をカットし出血に悩まされたもののペースは渡さなかった。

ガンボアはファレナスと対戦


 12月8日ラスベガスのパッキアオ×マルケス第4戦のリングで、15ヶ月ぶりに復帰する元フェザー級統一王者ユリオルキス・ガンボア(キューバ)の対戦相手にマイケル・ファレナス(フィリピン)が抜擢された。試合はノンタイトル10回戦。

 当初ガンボアはミゲール・ベルトランJr(メキシコ)と対戦する予定だった。しかし9月、ローマン・マルティネス(プエルトリコ)とWBO世界J・ライト級王座決定戦を行ったベルトランはリング復帰できる状態ではなく、マッチメーカー(トップランク社)は複数の選手に出場を打診。選ばれたのが、7月日本でWBAチャンピオン内山高志(ワタナベ)に挑戦したファレナスだった。

 ガンボア(21勝16KO無敗)はプロモート契約したラップ歌手50セントがラスベガスにオープンした新しいジムで調整中。一方ファレナス(34勝26KO3敗4分)はロサンゼルスのワイルドカードジムで試合に備えている。

カマチョ 脳死が確認される


 今週火曜日プエルトリコで拳銃で撃たれ、危篤状態に陥っていた元3階級制覇王者ヘクター“マッチョ”カマチョは容態が回復せず、22日、治療を担当した医師から脳死状態であることが発表された。生命維持装置を外せば、カマチョは50年の生涯を閉じることになる。

 現地の報道では、カマチョの父や親戚は臓器の提供に同意しているが、ニューヨークに住む彼の母親や地元の兄弟たちは、できる限り生命維持装置をつけたままにしてほしいと願っているという。

 カマチョは撃たれた時、1歳年下の幼馴染の友人といっしょだった。友人は撃たれて死亡しており、多量のコカインを所持していたことが警察の調べで判明している。プエルトリコで生まれ、ニューヨークで育ったカマチョは近年、プエルトリコとフロリダを往復する生活を送っていたが、アルコールやドラッグなどのトラブルが絶えなかった。生涯戦績は79勝38KO5敗3分。

2012年11月21日水曜日

斉藤がWBCユースタイトルを防衛


 WBCライト級ユースチャンピオンの斉藤司(三谷大和S)が21日、初防衛戦を行い、エーククンポン・モークルンテープントンブリー(タイ)を5回2分15秒KOで下し、初防衛に成功した。

 両者ともに山場を作れなかったが、王者の斉藤がボディブローを中心にして、挑戦者に徐々にダメージを与えた。最後は左ボディブローを決めてエーククンポンにテンカウントを聞かせた。
 斉藤は「日本タイトルや東洋タイトルを狙いたい。強いやつとやりたい」とリング上でアピールした。

◇S・フェザー級8回戦
長井祐太(勝又)[7回26秒TKO]鈴木淳(上滝)

マッチョ・カマチョが重体


 たぐい稀なスピードと奇抜なパフォーマンスで一世を風靡したヘクター“マッチョ”カマチョが20日午後7時半ごろ(現地時間)、プエルトリコで銃で撃たれ、危篤状態に陥っている。

 カマチョ(50)は故郷プエルトリコ・バヤモンの街で自動車に乗った男にアゴを撃たれ、銃弾が右肩まで貫通。病院の緊急治療室で手術を受けているが、意識はなく、安否が気遣われている。犯人はそのまま逃走したもよう。
 アメリカでは夜の一般のニュースでこの事件を報道。スペイン語テレビではトップニュースで扱い、カマチョの大物ぶりが浮き彫りになった。

2012年11月20日火曜日

内山、河野が練習公開

 

 大晦日にそろって大舞台に立つ内山高志と河野公平のワタナベコンビがトレーニングを公開した。

 暫定王者バスケスを迎える内山は4ラウンズのスパーリングとミット打ち。スパーはかなり厳しいもので日本S・フェザー級6位の山元を何度も追い込んで順調な調整をうかがわせた。
「いつもと同じ、いやいつもよりいい感じ。(マブタの傷で)スパーできない時期もあったけれど、いつものように考えて、考えて練習してきたので問題ない。大晦日を楽しみにしている」と内山。
 また3度目の正直で世界戴冠を狙う河野は「2度挑戦に失敗して3度目はないと思っていたので、この挑戦には感謝の気持ちでいっぱい。どんどん調子が上っている。相手は右も左もパンチが強い選手だが、ガチガチに打ち合って、KOできるように持っていきたい」と意欲を示した。こちらは日本人キラーのテーパリットに挑む。

野崎 逆転でWBCユース王座獲得 沖縄

 

空位のWBCユース世界バンタム級王座決定戦(10回戦)は18日午後、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われ、日本S・フライ級8位の野崎雅光(八王子中屋)が比国バンタム級9位のベルゲル・ネブラン(比国)に2-1の判定勝ちを飾り、自身初めてとなるベルトを獲得した。

野崎は4回にネブランの左強打を浴びてカウントをとられるなど試合前半はネブランにリードを許した。しかし諦めることなく5回から反攻開始。後半ペースダウンした比国人とは引き換えに勢いづき、8回に左右連打を浴びせロープに釘づけにする場面も。野崎の追い上げが功を奏して終盤のネブランは威圧感も薄れ前半とは別人のよう。
 
結局試合は判定に持ち込まれ、スコアは桑田、牧角9594、比国のダンセコは逆に9594でネブランの勝ちを支持するスプリット・デシジョンで野崎の手が上がった。
 野崎(23)はこの勝利で記録を16勝6KO3敗1分とした。


 セミのS・バンタム級戦では日本フライ級3位のウォーズ・カツマタ(勝又)がイサック・ジュニア(インドネシア)と対戦、4回に2度倒した直後は仕留め切れなかったが、土壇場の最終回26秒左アッパーを突き上げてKO勝ち。6月に世界ランカーのオスカル・ブランケット(メキシコ)に不覚をとった後の再起戦を飾った。

 日本S・フライ級3位の翁長吾央(大橋)は6年ぶりの地元リングでジャイピー・オティーリャ(比)にワンツーを的確に決めて2回TKO勝ち。2月に帝里木下との日本同級タイトル戦で敗れて以来の再起戦だった。元日本ランカーの中真光石(中真)はロバート・コパ・パルエ(インドネシア)に3-0判定勝ち。また石川昇吾(新日本木村)はシリロ・エスピノ(比国)に3-0判定勝ちだった。

2012年11月19日月曜日

渡部、世界1位のプラウェートを破る


 東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチが19日、後楽園ホールで行われ、チャンピオンの渡部あきのり(協栄)は、挑戦者でWBC・S・ライト級1位のプラウェート・シンワンチャー(タイ)を3-0(117-108、116-112、116-111)の判定で下し、4度目の防衛を成功させた。
 

 渡部はスタートから距離を意識し、大振りにならないよう注意してファイトした。プラウェートに押し込まれ、ロープを背負う場面もあったが、相手の打ち終わりにパンチを合わせ、5回には左のカウンターでダウンを奪った。中盤以降も冷静に戦い、ノックアウトは逃したものの、粘るプラウェートを突き放しての勝利だった。


 35歳のプラウェートは腹回りが太く、万全ではないと思われたが、テクニックと強打で渡部を苦しめ、KO負け寸前の場面でも驚異的な粘りを見せて会場を沸かせた。

◇51.5㎏契約8回戦
中釜兵武(白井・具志堅S)[3-0(79-73×2、79-72)]桜井康弘(レパード玉熊)

◇S・バンタム級6回戦
上林巨人(竹原&畑山)[2回2分39秒TKO]小泉良太(北澤)
 

 06年の全日本選手権を制するなどアマ6冠を獲得した上林のプロデビュー戦。上林はスピードとパンチがあり、相手をよく見て落ちついたボクシングをする。圧勝で大器の片りんを見せた。

大橋、有終の美を飾る


 18日、愛知県刈谷市産業振興センターあいおいホールにて行われたフェザー級8回戦は、元東洋太平洋S・バンタム級チャンピオンの大橋弘政(HEIWA)が吉村拓記(ハラダ)を3回51秒KOに下し、ラストファイトを勝利で飾った。
 常に激戦を繰り広げた「中部の激闘王」らしからぬファイトだったかもしれない。
 初回こそ吉村の積極的な攻勢にいつもの「大橋劇場」を思わせる立ち上がりだったが、2回から右ボディーが効果的に決まり、徐々にペースを上げるとラウンド終了間際に早くも先制のダウンを奪う。
 3回も開始早々からダウンを奪うと、再開後右アッパーで立て続けに2度のダウンを追加し、キレイな顔のまま試合を終わらせた。
試合後の引退式で惜別のゴングを聞く大橋
試合後の引退セレモニーではテンゴングが鳴らされ、12年にわたる選手生活にピリオドが打たれた。
 セミファイナルでは、8月に後楽園ホールで小原佳太(三迫)に敗れた丸木和也(薬師寺)が岡崎祐也(中内)に判定勝ちで再起。採点は76-74が二人と77-74。
 初回終了間際、岡崎の右フックで丸木が膝をつく波乱のスタート。しかし2回、丸木は右のクリーンヒットから連打でカウントを聞かせると、再開後再び右ストレートでダウンを奪う。早い決着も予感させたが以後は決め手に欠けるとラウンドを重ね、最終のゴングを聞いた。
 また元日本ランカーの小出大貴が薬師寺ジムへの移籍初戦でサワット・ウォースラポン(タイ)に2回1分24秒TKO勝ち。1年ぶりの再起を果たした。≪S≫

ブロナー、デマルコ倒し2階級制覇

 


 米アトランティックシティのボードウォーク・ホールで17日(日本時間18日)行われたWBC世界ライト級タイトルマッチは、挑戦者で前WBO世界J・ライト級王者のエイドリアン・ブロナー(米)がディフェンディング・チャンピオンのアントニオ・デマルコ(メキシコ)を8回1分49秒TKOで破り、2階級制覇を達成した。

 大器ブロナーがその才能を見せつけた。ノーモーションで放つ右などスピードで圧倒したブロナーは、3ラウンドこそサウスポーのデマルコに攻勢を許したが、離れても接近しても自在にパンチをコネクト。5回、一気に畳み掛けて王者を劣勢に追い込むと、その後も展開をコントロールした。

 9回、上下にパワーパンチをコネクトしたブロナーが左アッパーを見舞うと、デマルコは崩れ落ち、セコンドが主審にギブアップを要請した。

 セミファイナルで番狂わせ。ヘビー級プロスペクト、セス・ミッチェル(米。WBO2位)がジョナサン・バンクス(米)に2回2分37秒TKO負け。1週間前、ドイツでウラジミール・クリチコのチーフセコンドに就き、15日には師匠エマヌエル・スチュワード氏の葬儀に出席するハードスケジュールをこなしたバンクスが見事に勝利を飾った。Photo/GBP

2012年11月18日日曜日

小國、ガスカを返り討ち OPBF・S・バンタム級戦


ガスカを攻める小國(左)


 OPBF・S・バンタム級タイトルマッチが18日、神戸サンボーホールで行われ、王者小國以載(VADY)が11位ロリ・ガスカ(フィリピン)に2-1判定勝ち。3度目の防衛に成功した。
 この日の小國はガスカの正面での攻防が多く、持ち味のジャブも少なかった。しかし相手のラフなパンチをブロックでしのぎつつ、自らのボディー攻めも奏功し、ポイントの流失は防いだ。フィリピンのジャッジが114-113で挑戦者ガスカにつけたが、残る2者は116-112、116-114で小國の勝利を支持。前王者でもあるガスカを返り討ちに遭わせた。

 セミでは元ランカーの福原寛人(江見)がフィリピンS・フェザー級8位のロベルト・ゴンサレスをワンパンチKO。ジャブの突き合いが続くスピーディーな展開だったが、3回福原が見事に右を直撃。倒れたゴンサレスは10カウントを数えられた。

スカッとKO勝ちの福原


 また日本ライト級10位西谷和宏(VADY)は岩下幸右(グリーンツダ)との再戦に8回2-1判定勝ち。タフな岩下と激しい打ち合いも辞さず、場内を大いにわかせた。


スリル満点! ビロリアが王座統一


PHOTO/SUMIO YAMADA
ロサンゼルスのスポーツアリーナで17日(日本時間18日)挙行された世界フライ級王座統一戦は、WBO王者ブライアン・ビロリア(米)がWBA王者エルナン“タイソン”マルケス(メキシコ)を10回1分1秒KOで下し、2冠を手中にした。

 3度のダウンシーンはいずれもマルケスがダメージを与え、カサにかかって攻め込んだ時にビロリアの逆襲を食らって発生した。それだけ試合はスリルに満ちたものだった。

 初回に倒してペースを握ったビロリアは5回も快調に戦っていたが、マルケスの逆襲を食らいグラリ。滅多打ちにさらされながら乗り切ったビロリアは2度目ダウンを奪う。

 しかし7回から反撃したマルケスがサウスポーから連打を見舞いラウンドを連取。とくに9回はWBO王者に後退のステップを踏ませるなど優勢だった。10回も乱打を浴びせていたが、ビロリアの右カウンターで痛烈にダウン。続行に応じたものの、ワンツーが決まると、マルケス・サイドのロバート・ガルシア・チーフセコンドがタオルを持って棄権をリクエストした。

ロマゴン激戦制しV5


 ビロリア×マルケス戦と同じリングで行われたもう一つのタイトルマッチ、WBA世界L・フライ級戦は王者ローマン“チョコラティート”ゴンサレス(ニカラグア)が挑戦者フアン・フランシスコ“ガジョ”エストラーダ(メキシコ)に3-0判定勝ちで5度目の防衛を果たした。

 ゴンサレスの勝利は動かなかったが、エストラーダの気迫あふれる戦いぶりが試合を盛り上げた。すり足の王者に対し、エストラーダは軽快なフットワークに乗せて左右のコンビネーション、左ボディーを叩き込む。だが徐々にゴンサレスのプレスに押され、挑戦者はコーナー、ロープを背にして乱打を浴びる場面が目立ってくる。それでもメキシカンは打たれても必ず左右をリターンし対抗。終盤も左フックなどでダメージを与えたニカラグア人だったが、挑戦者は最後までパンチを返して食い下がった。

PHOHO/SUMIO YAMADA
公式スコアは118-110、116-112が2者でゴンサレスが支持された。ゴンサレス(34勝28KO無敗)はビロリア×マルケス戦の勝者との対決が話題にのぼる。同時に日本リング登場の可能性をほのめかしている。(三浦勝夫)

2012年11月17日土曜日

デマルコ×ブローナー 明日WBCライト級戦

 

 WBC世界ライト級タイトルマッチの前日計量が16日、米ニュージャージー州アトランティックシティにあるシーザース・アトランティックシティのサーカス・シアターで行われた。17日の試合会場はボードウォーク・ホール。

 前回の試合でリミットを大幅にオーバーし、タイトル(WBO・J・ライト級)を放棄した挑戦者エイドリアン・ブロナー(米)は今回、問題なく仕上げリミット半ポンドアンダーの134.5ポンド(61.01キロ)。王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)も同じ体重でクリアした。

 次代のスーパースター候補ブロナー(24勝20KO無敗)と久々の本格派チャンピオンと評判のデマルコ(28勝21KO2敗1分)の対決。賭け率は7-1といった数字で挑戦者有利と出ている。

 セミの12回戦、NABO&空位のWBCインターナショナル・ヘビー級戦はセス・ミッチェル(米=NABO王者)が242ポンド(109.77キロ)、相手のジョナサン・バンクス(米)は218.5ポンド(99.11キロ)。Photo/GBP

明日ロスでフライ級統一戦+ロマゴン防衛戦


 明日17日(日本時間18日)ロサンゼルスのスポーツ・アリーナで挙行される2大軽量級世界タイトル戦の計量が同地ダウンタウンのホテルで行われ、出場する4選手とも一回で無事パスした。

マルケス㊧とビロリア

 メインのWBA&WBOフライ級統一タイトルマッチはWBA王者エルナン“タイソン”マルケス(メキシコ)が110.8ポンド(50.26キロ)、WBO王者“ハワイアンパンチ”ブライアン・ビロリア(米)が111.8ポンド(50.71キロ)。

ゴンサレス㊧とエストラーダ
もうひとつのWBAライト・フライ級戦は王者ローマン“チョコラティート”ゴンサレス(ニカラグア)、挑戦者フアン“ガジョ”エストラーダ(メキシコ)とも107.6ポンド(48.81キロ)だった。

 この2試合とあわせて明日は8回戦2試合、6回戦2試合、4回戦3試合の計9試合が予定されている。主催はマルケスを擁するメキシコのザンファー・プロモーション。(三浦勝夫)

元王者飛天がKO勝ち

 

  元OPBFウェルター、S・ウェルター級王者の飛天かずひこ(野口)が16日、後楽園ホールで復帰2戦目のリング。インドネシアのドゥイ・アメックスに4回3分9秒KO勝ちした。
 飛天は初回に右フックで先制のダウンを奪うと、4回今度は左ストレートでアメックスを倒し、10カウントを聞かせた。ずんぐりとしたアメックスが防御を固めたため攻めあぐねる場面もあったが、途中でカウンター戦法に切り替え、仕留めてみせた。「もうあとはない。最短でベルトを獲りにいきたい」と飛天。ターゲットにOPBF王者のチャーリー太田(八王子中屋)を挙げた。
またセミではWBC女子ユース・アトム級王者の黒木優子が小田美佳に2回TKO勝ち。サウスポー・スタンスからの左ストレート、右フックで小田をうまく迎撃し、ストップを呼びこんだ。

2012年11月16日金曜日

ボクシングビート12月号発売!

 

 ボクシングビート12月号が15日に発売となりました。山中、粟生、五十嵐の世界戦速報のほか、最重量級のフレッシュパワーを紹介したヘビー級特集まで、幅広い内容をお届けします。ぜひお買い求めください!

◇目次(抜粋)
山中、戦慄KO防衛
五十嵐ベルト死守

粟生、王座追われる
岩佐、大差判定でデラモラ撃破

ドネアが語る西岡戦

長谷川穂積 スーパーバンタムへの期待

展望/勝負に出た亀田は王座を守れるか

展望特集「パッキャオ×マルケス」第4戦
古今東西「シリーズ・ファイト」

新チャンピオンのIt's my life
原隆二、大竹秀典、佐々木左之介

名匠スチュワード死す

ワイド特集 ボクシング映像のいま

ヘビー級特集
クリチコ兄弟が強すぎて退屈なので
最重量級のフレッシュ・パワーを紹介

「赤井総監督」で復活

関西の名門近大ボクシング部

2012年11月15日木曜日

エディ賞の候補者を募集!


 ボクシング界に貢献した優れたトレーナーらに贈られる第23回「エディ・タウンゼント賞」の選考が今年も迫ってきました。賞を選考する「エディ・タウンゼントを偲ぶ会」では、ファンの意見を選考に反映したいと考え、候補者の推薦を広く求めます。「エディ賞はこのトレーナーがふさわしい!」と思う方は、下記のあて先までハガキ1枚につき1人の名前を明記して投函してください。

〒160-0022
東京都新宿区新宿1-30-11 篠塚ビル1F
㈱PACOスタジオ「エディ賞」係
(12月20日到着分まで有効)
 
2010年はチーム内山が受賞

◇過去の受賞者
1990年 松本清司(ヨネクラ=故人)
1991年 ジミン・アレクサンドル(協栄)
1992年 桑田勇(帝拳)
1993年 大久保純一(大阪帝拳=故人)
1994年 積田進(新日本木村)
1995年 福田洋二(沖)
1996年 竹本吾一(グリーンツダ)
1997年 田中栄民(宮田)
1998年 柳和龍(横浜光)
1999年 津々見敏英(畑中)
2000年 島田信行(中外)
2001年 三浦利美(国際)
2002年 受賞者なし
2003年 川島利彦(ヨネクラ)
2004年 松本好二(大橋)
2005年 山下正人(千里馬神戸)
2006年 藤原俊志(六島)
2007年 大竹重幸(協栄)
2008年 葛西裕一(帝拳)
2009年 該当者なし
2010年 チーム内山(ワタナベ)
2011年 受賞者なし
※所属ジムは受賞当時

ダブルで勝利だ 協栄2王者公開練習

ダブル勝利を誓った渡部と佐藤(右)

 佐藤洋太、渡部あきのりの協栄ジム2王者が15日、新宿区のジムで練習を公開した。
 大みそかに赤穂亮(横浜光)との防衛戦を控えるWBC世界S・フライ級チャンピオン、佐藤はウォーズ・カツマタ(勝又)とスパーリング。ときにスイッチもまじえ、奔放なスタイルを披露した。これは「本気で使おうとは思っていないが、(相手を幻惑する)きっかけになれば」というのが狙い。またノーガードでウォーズと対峙する場面も多く見られた。「相手のパンチが怖いからこそ、意外と下げたほうが安全なんです」とし、発想の転換による効用を説明した。もちろんガードをすべて放棄したわけではないが、集中力を維持せざるを得ないうえに自ら攻撃がしやすい――「赤穂君に勝つには集中力が必要」とチャンピオンは強調した。スパー中心でトレーニングをする佐藤はすでに200ラウンドを消化し、「最終的に400ラウンドに届くのでは」(新井史朗トレーナー)。
 OPBFウェルター級王座の防衛戦(19日・後楽園ホール)が迫る渡部あきのりは、ミット打ちを見せた。WBC・S・ライト級1位のプラウェート・シンワンチャー(タイ)を迎える今回は、ベルト防衛と同時に世界ランキング奪取にもつながる一戦。「これに勝ってはじめて世界の入口に立てると思っています。KOにこだわらず、何が何でも勝ちたい」と挑戦者のつもりで臨む。

ブロナー&ミッチェルが奉仕活動

 

 今週土曜日17日、WBC世界ライト級王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)に挑む前WBO世界J・ライト級王者エイドリアン・ブロナー(米)と同じリングでジョナサン・バンクス(米)と対戦するヘビー級プロスペクト、セス・ミッチェル(米)が14日(日本時間15日)、試合地の米ニュージャージー州アトランティックシティのボーイズ&ガールズ・クラブ(青少年育成団体)を訪れ、ゴミの収集などを行った。

 これは先月末、アメリカ東部を襲ったハリケーン“サンディ”で被害を受けた地域を励ます目的のボランティア活動。同時に同クラブに試合の無料チケットを配布することを約束した。

 試合をプロモートするゴールデンボーイ・プロモーションズは試合チケット1枚につき2ドル、ノックアウトで終わった試合につき1000ドルを被害を被った全ボーイズ&ガールズ・クラブと家族へ寄付することにしている。Photo/GBP

八重樫・井上・松本登場 大橋ジムの新春興行

 

 大橋ジムの軽量級トリオが1月5日後楽園ホールで新春そろい踏み――14日大橋ジムで試合の発表記者会見が催された。元WBA世界ミニマム級王者八重樫東が、50kg契約でWBCアジア大陸フライ級王者のサンムアンロー・ゴーキャットジム(タイ)と10回戦。アマから転向第2戦の快勝でランキング入りした日本L・フライ級6位の井上尚弥は、タイ国L・フライ級王者ガオプラチャン・チューワッタナと50kg契約の8回戦。また井上の同期でアマ4冠の松本亮は、対戦相手未定ながら8回戦を予定している。

 八重樫は6月、井岡一翔との防衛戦で敗れたものの善戦ぶりですっかり名を売り、これが再起戦。一時佐藤洋太との同郷対決が計画されたものの実現しなかったが、大橋秀行会長は「ミニマムからS・フライまで4階級でチャンスがあれば狙わせたい」、八重樫本人も「もう自分には負けはない、勝っていけば会長にまたチャンスを作ってもらえると思うので」と世界王座復帰に向けて決意表明した。

 井上は早くも相手探しに苦戦。2戦目は世界ランカーらと交渉したものの、「一度決まった相手がユーチューブを見て断ってきた」(大橋会長)こともあり、結局世界ランカーは3戦目以降にお預けになった。それでもデビュー戦の比国に続く現役のナショナルチャンピオンを相手にする。「誰にも文句言われないようにしっかり勝って、日本、東洋タイトルを獲りたいと考えています」と井上は来年の目標を語っていた。

 井上に先んじてプロ転向し4戦全勝の松本は「尚弥と八重樫さんの前の試合なので、会場を盛り上げるようないい試合をしたい」と殊勝に語っていた。なお軽量級に人材の集まる大橋ジムだが、もう1人、日本ミニマム級新王者の原隆二は、2月に初防衛戦を予定している。